About
the
Album
映画への愛を詰め込みました
西田の特に好きな映画やTVシリーズに影響を受けた3つの楽曲 (1. Yanse / 3. In Between / 5. Radiance ) に加えて、彼女の尊敬する映画音楽作曲家たちの
出身地である、アイスランドを訪れた際の経験を曲に起こした2つの楽曲 (2. Morgun Dögg /
4. Sorbet) の計5曲になります。
映画のサウンドトラックのような響きだけではなく、ジャズ、ポップス、実験音楽など様々なジャンルのアイデアを合わせました。
自身の演奏録音に加えて、Budapest Art Orchestraの弦楽アンサンブルや、グラミー賞ノミネート経験のあるトルコ出身のバイオリニストBengisu Gokceなど、世界中の音楽家たちの助けを借りて、
西田衣見初のアルバムが完成しました。
Tracks
01.
中国語で色彩を意味するYanse. 2002年の中国映画「HERO英雄」という作品をイメージした曲を書きました。
バイオリン、Dizi (中国の笛)、弦楽アンサンブルの生演奏が音に厚みを加えています。主演のジェット・リーは、西田が映画にはまり、映画音楽制作の仕事につくきっかけとなった俳優です。彼への愛を込めて書き上げました。
02.
Morgun
Dögg
Morgan Dögg はアイスランド語で朝の露、という意味を表します。弦楽アンサンブル以外は、全て西田自身が演奏・録音しました。
Floating clouds
They’re sailing across the tips of towers
Toward the sky
I wish for time to go by slowly, slowly
Crossing in my mind
The moment and sentiment
Open the window
And feel a breeze
Impulsive silence
That keeps tickling my ears
I wish to believe in uncertainty
Because it feels a little warmer than yesterday
浮かぶ雲が
ビルの先端の間を泳いでいる
空に向かって
時間がゆっくり流れるよう願った
この瞬間と感情が 交差している
窓を開けて
微風を感じて
気まぐれな静寂が
耳をくすぐる
不確かさを信じたくなった
なぜなら、昨日より少し暖かく感じているから
03.
「今際の国のアリス」というシリーズを観て、現実と"今際の国"の間で生きようと必死にもがく登場人物たちにインスパイアを受けて書きました。絶対に最後は大丈夫になる、という思いも込めた曲です。
04.
アイスランドで見た氷河が、まるでソルベのようだなと思い、この題名にしました。水と空気の音だけが聞こえている空間で、この風景にどのような音が合うのかなと思い録音した鼻歌から着想を得ました。初めは氷河の景色の大きさに圧倒されていたのですが、途中から氷河がソルベのように見えたり、あざらしが顔を出したりと可愛い部分もあったので、少し軽快さも含んだ楽曲になっています。
05.
アメリカで今年公開された「オッペンハイマー」という映画に感化されて書きました。日本人としてこの映画を観ることで、様々な感情が湧きました。
原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの、国を守るという使命に燃えている時代と、晩年自分の行ったことに対する後悔の念を感じながら生きている時代の2部に分けています。
Credits
作曲・演奏・録音- 西田 衣見(All)
ミキシングエンジニア- Oxy Xian You Ong (All)
マスタリングエンジニア - 風間 萌 (All)
バイオリンソロ - Bengisu Gokce (1)
Diziソロ - Tong Kong (1)
パーカッション - YUKI KANESAKA at Hummingbird Recordings (4)
ピアノ録音エンジニア - Oxy Xian You Ong (2)
Dizi録音エンジニア- Howard Ouyang (1)
弦楽アンサンブル: Budapest Art Orchestra at East Connection Music Recording, Studio 22 (1,2,4,5)
Budapest Art Orchestra指揮者: Peter Pejtsik (1,2,4,5)
Budapest Art Orchestra ProToolsエンジニア: David Lukacs (1,2,4,5)
Budapest Art Orchestra 録音エンジニア Gabor Buczko (1,2,4,5)
Budapest Art Orchestra セッションプロデューサーr: Miklos Lukacs (1,2,4,5)
アルバム写真 - John Harrison
About
Emi Nishida / 西田衣見
2014年に渡米し、大学にて映画音楽作曲を学ぶ。在学中には映画「The Man Who Laughs」(笑う男 : ユニバーサル)の音楽を作曲、サンフランシスコで行われた上演会では指揮・演奏を行った。
卒業後は日米の映画作品の音楽制作を行なっている。またYUKI KANESAKA氏のアシスタントとしてTVアニメ作品のアレンジ・オーケストレーションも行っている。映像作品以外では、2021年にThe American Prizeのオーケストラ作曲部門特別賞、同年ユニバーサルミュージック賞(Streepz名義)を受賞。SixTONESの「on eST アリーナツアー」用にインスト曲を制作した。翌年のOticons Faculty Film Music Competition ではTop 10の作曲家として選出された。2023年には吹奏楽作品「In the Night, We Saw a Shadow」が米国国定歴史建造物の1つであるジョーダンホールにて初演された。同年11月末には自身初のアルバムがリリースされる。
作曲活動と並行し、ジャズやポップスのアルバム作品のピアノ録音や、ミュージカルのキーボード演奏、自作曲の演奏も行っている。2019年には1台ピアノ4手のための作品「Ganymede, the Cupbearer」が坂本龍一氏に絶賛された。